昨年5月の Build 2025 に続き、今年も Build 2026 に現地参加してきました。昨年までの開催地はシアトルでしたが、今年はサンフランシスコで開催されました。
Build 2026 でアナウンスされた内容については、以下の記事で詳しく説明されています。キーノートやブレイクアウトセッションの動画も公開されているので、気になるトピックがあればぜひ視聴してみてください。
この記事では、現地参加の雰囲気や個人的に感じたことをお伝えしていきます。
Registration
会場は、サンフランシスコにある Fort Mason Center です。

Registration が夕方だったこともあり、行列に並ぶことなくスムーズにバッジを受け取ることができました。

Keynote
今年の現地参加者数は約2,500人、期間も2日間ということで、例年と比較すると小規模な開催となりました。

キーノートでは、今年も MVP Priority Seat が用意されており、前から2列目の席でした。Imagine Cup の表彰終了後に Satya Nadella が登場し、キーノートが始まりました。


例年の Build では開発者向けのアップデートが中心ですが、今年は AI Agent をどのように作るかだけでなく、どのような実行環境で動かし、どのように統制し、どのように改善サイクルを回していくかといった、大きなビジョンが示された印象でした。
1. Windows のパーソナル AI 化
Windows は、パーソナルコンピュータから「パーソナル AI」へと進化しようとしています。「unmetered intelligence(従量課金されない知能)」というコンセプトのもと、Windows OS に組み込まれることを前提とした軽量・小型モデルとして、Aion 1.0 Instruct / Aion 1.0 Plan が登場しました。
開発者向けには、Surface Laptop Ultra や Surface RTX Spark Dev Box といったハイスペックデバイスに加え、Windows の開発体験そのものを進化させる機能も発表されています。たとえば、GitHub Copilot など好みのエージェントを組み込んだターミナルや、UNIX 系コマンドのネイティブ対応、WSL Containers、PowerToys 統合などです。
さらに、Project Solara として、Badge 型や Desk 型といった AI Agent First な新しいデバイス も公開されました。
2. Agent を安全に動かすための基盤
AI Agent を実運用で活用するうえで避けて通れないのが、セキュリティと統制の問題です。その解決策として提示されたのが、Windows ネイティブで実行権限を管理できる Microsoft Execution Containers(MXC)です。この MXC によって、OSS の OpenClaw も Windows 上の Sandbox 環境で安全に動作するようになりました。
また、Microsoft Scout はローカルエージェントに加えて Copilot を統合し、Windows 上で動作する環境として提供されます。MXC と組み合わせることで、仕事用のパーソナルエージェント(Autopilots)として、Teams のチャットや Outlook のスレッドに参加し、会議準備や定型タスクを「頼まれる前に」処理できるようになります。
3. AI の価値はナレッジで決まる時代へ
モデルの性能向上は引き続き重要ですが、AI Agent の価値は、自社のナレッジをどのように参照し、コンテキストの質をどこまで高められるかに大きく依存するようになっています。
新しい AI Agent を作るたびにナレッジをゼロから構築するのではなく、組織全体で共有できるインテリジェンス基盤として Microsoft IQ が提示されました。Work IQ、Fabric IQ、Foundry IQ に加え、Web からリアルタイムに情報を取得する Web IQ も発表されています。
さらに、特定のワークフローに最適化された MAI モデルファミリーも登場し、Foundry から利用できるようになりました。
全体として、「AI を作る技術」から「AI をどう運用し、組織で活かすか」へと、視点が大きく変わった Build だったと感じました。
Breakout
ブレイクアウトセッションの様子。


個人的に興味のある Azure PaaS / Serverless 関連のアップデートは、キーノートだけでなくブレイクアウトでも言及されないものが多かったため、公式サイトのアナウンスから気になるトピックを挙げていきます。
- App Service
- Managed Instance(Public Preview)
- 昨年の Ignite で発表された新しいけど何故か懐かしいサービス。GA に向けて継続的に改善中。
- Managed Instance(Public Preview)
- Azure Functions
- Serverless agents runtime (Preview)
- 名前からはピンときませんが、Markdown 形式で AI Agent を定義できる。Foundry Hosted Agents ではなく、Functions で AI Agent を統一できるのが嬉しい。
- Managed connectors (Preview)
- Logic Apps や Power Platform のコネクタが使える。こちらも Functions で AI Agent を統一できるのが嬉しい。
- Azure Functions Skills for coding agents (Preview)
- AI コーディングエージェント向けの Azure Functions スキル。これは積極的に活用していきたい。
- Serverless agents runtime (Preview)
- Azure Container Apps
- Azure Container Apps Sandboxes (Public Preview)
- Dynamic Sessions の後継機能。中々使う局面が少ないが試してみたい。
- Azure Container Apps Express (Public Preview)
- AI Agent 向けに作られたデプロイやスケーリングが高速かつコールドスタートも少ない。これは楽しみな機能。
- Azure Container Apps Sandboxes (Public Preview)
- Azure Cosmos DB
- Global Secondary Indexes
- コンテナからのデータ取得時に複数のインデックスが欲しくなることがあるので嬉しい。
- Azure Backup for Azure Cosmos DB (Public Preview)
- Enterprise で求められるバックアップ要件に対応できそう。
- All Versions and Deletes Change Feed Mode
- Change Feed が削除にも対応。まれに欲しくなるので助かる。
- Semantic Reranker (Public Preview)
- AI Agent のデータストアとしての Cosmos DB が Semantic Reranker に対応。AI Search を使う機会がより減りそう。
- Global Secondary Indexes
会場の様子
Fort Mason Center はサンフランシスコ湾のすぐ近くにあり、建物内だけでなく屋外も含めたイベント会場となっていました。会場自体もコンパクトだったため、例年のようにセッション間の移動が大変ということはありませんでした。



アルカトラズ島やゴールデンゲートブリッジを望むこともできました。


HUB ではパートナーのブースやシアターセッションが行われていました。エキスパートのブースもあったので、開発チームにいくつかフィードバックしておきました。
- Azure Functions Flex Consumption で Deployment Slot を使いたい(Rolling updates は GA したけど、Swap したい)
- GitHub Actions の Azure private networking を東日本でも使いたい(西日本はある)



今年は Scott Guthrie を見かけないなと思っていたのですが、ふらっと立ち寄ったシアターセッションで偶然見かけました。

自分と同じ Azure MVP のマキさんが Lightning Talks に登壇するとのことで、応援に行きました。
セッション後に Stack-chan を購入した参加者がいたという X のポストを見かけましたが、プレゼンの結果として、参加者から「面白かった」「勉強になった」という感想だけでなく、実際に行動を起こさせたことは素晴らしいことだと思います。

キーノートでも紹介された Surface Laptop Ultra / Surface RTX Spark Dev Box に加えて、Project Solara の2つのデバイスも展示されていました。



恒例の MVP と RD の名前が書かれた Wall もあって、自分の名前を発見しました。


昨年5月の Build のランチが美味しかったので期待していましたが、今年のランチはいまひとつでした。


今回の戦利品。T-shirt や Water Bottle や Pins などが貰えました。

まとめ
Microsoft Build 2026 にサンフランシスコで現地参加してきました。
日本からのオンライン視聴では感じ取れない熱量があり、モチベーションも高まるので、やはり現地参加は楽しいものです。一緒に行った会社の同僚も楽しんでいたようで、多くの若手エンジニアにぜひ経験してほしいと感じました。
サンフランシスコを観光した話は、こちらの記事を参照してください。
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