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Microsoft Azure を中心とした技術情報を書いています。

Azure Container Apps で Dapr sidecar を使ってバックエンドサービスを呼び出す

先日の Microsoft Ignite で発表された Azure Container Apps で、Dapr sidecar を使ってバックエンドサービスを呼び出してみました。

Azure Container Apps の Dapr integration

マイクロサービスで構成されるシステムを構築する場合、分散されたサービス群を管理するためのアーキテクチャや運用の複雑さが増す傾向にあります。
分散アーキテクチャのメリットを活かしながら複雑さを最小限に抑える手法として、Dapr を使ったアプリケーション構築が注目されています。

Dapr はマイクロサービスの sidecar パターンを使っているため、分散アーキテクチャの非機能要件をアプリケーションとは疎結合に切り離して実装できます。

  • サービス呼び出し
  • 状態管理
  • 可観測性
  • シークレット管理
  • Pub / Sub メッセージング など

今回のサービス呼び出しでは、次のような非機能要件への対応が必要となります。

  • 他サービスが配置されている場所(URL)の管理
  • 一時的な障害が発生した場合のリトライ
  • 分散トレーシング

Azure Container Apps では、フルマネージドで管理される Dapr が統合されているため、シンプルに Dapr sidecar をリバース プロキシとして使うことができます。
docs.microsoft.com

Container Apps Environment を作成する

Bicep を使って、App Service Plan にあたる Environment を作成します。
詳細は、こちらの記事を参照してください。
gooner.hateblo.jp

バックエンドサービスを作成する

バックエンドサービスとして、ASP.NET Core Web API を作成します。プロジェクトテンプレートで作成される WeatherForecast API を使います。
Dapr sidecar では HTTPS 通信させることもできますが、今回は [HTTPS 用の構成] チェックボックスは OFF にしておきます。

f:id:TonyTonyKun:20211112202930p:plain

Dockerfile を追加し、Ducker Hub に Image をプッシュしておきます。

FROM mcr.microsoft.com/dotnet/sdk:6.0 AS build
WORKDIR /code
COPY . .
RUN dotnet restore
RUN dotnet publish --output /output --configuration Release

FROM mcr.microsoft.com/dotnet/aspnet:6.0
COPY --from=build /output /app
WORKDIR /app
ENTRYPOINT ["dotnet", "WebApp.dll"]

フロントエンドサービスを作成する

フロントエンドサービスとして、ASP.NET Core Web アプリケーションを作成します。
Dapr sidecar でサービスを呼び出すため、Dapr の ASP.NET Core 用ライブラリをインストールします。
www.nuget.org

$ Install-Package Dapr.AspNetCore -Version 1.5.0

Program.cs で、DaprClient クラスのインスタンスを DI コンテナーに登録します。

var builder = WebApplication.CreateBuilder(args);

// Add services to the container.
builder.Services.AddControllers().AddDapr();    // ←この行を追加
builder.Services.AddRazorPages();

バックエンドサービスの API レスポンスを受け取るモデルクラスを追加します。

public class WeatherForecast
{
    public DateTime Date { get; set; }

    public int TemperatureC { get; set; }

    public int TemperatureF { get; set; }

    public string Summary { get; set; }
}

Dapr sidecar でサービス呼び出すページを追加し、DaprClient クラスを使って HttpClient クラスを生成します。Method Invoke や gRPC で呼び出すこともできます。
Web API の呼び出しでは、Dapr に登録する app id の dapr-backend を使った URL を指定しています。Dapr sidecar をリバース プロキシに使うことで、バックエンドサービスの場所を管理する必要がなくなります。

public class DaprModel : PageModel
{
    private readonly DaprClient _daprClient;

    public DaprModel(DaprClient daprClient)
    {
        _daprClient = daprClient;
    }

    public async Task OnGet()
    {
        var url = "http://dapr-backend/WeatherForecast";
        var httpClient = DaprClient.CreateInvokeHttpClient();
        var json = await httpClient.GetStringAsync(url);
        var options = new JsonSerializerOptions()
        {
            PropertyNamingPolicy = JsonNamingPolicy.CamelCase
        };
        var forecasts = JsonSerializer.Deserialize<IEnumerable<WeatherForecast>>(json, options);

        ViewData["WeatherForecastData"] = forecasts;
    }
}

WeatherForecast API のレスポンスを View にバインドします。

@page
@using WebApp.Models
@model WebApp.Pages.DaprModel
@{
    ViewData["Title"] = "Dapr page";
}

<div class="text-center">
    <h1 class="display-4">Service to Service calls</h1>

    @foreach (var forecast in (IEnumerable<WeatherForecast>)ViewData["WeatherForecastData"])
    {
        <p>The forecast for @forecast.Date is @forecast.Summary!</p>
    }
</div>

ここまでのコードが書けたら、バックエンドサービスと同様に Dockerfile を追加し、Ducker Hub に Image をプッシュしておきます。

Container Apps をデプロイする

Azure CLI を使って、Container Apps をデプロイします。
まだ Preview 中なので、拡張モジュールをインストールする必要があります。

$ az extension add --source https://workerappscliextension.blob.core.windows.net/azure-cli-extension/containerapp-0.2.0-py2.py3-none-any.whl
$ az provider register --namespace Microsoft.Web

まずは、バックエンドサービスです。最終行のオプションで Dapr を有効化して app idport を指定します。
同一 Environment に配置されたサービスからのみ呼び出されることを想定しているので、ingress を internal にしています。

$ az containerapp create -n dapr-backend -g <ResourceGroup Name> \
     -e <Environment Name> -i thara0402/dapr-backend:0.1.0 \
     --ingress internal --target-port 80 \
     --revisions-mode single --scale-rules ./deploy/httpscaler.json \
     --max-replicas 10 --min-replicas 1 \
     --enable-dapr --dapr-app-id dapr-backend --dapr-app-port 80

httpscaler.json には、HTTP リクエスト数によるスケーリングルールを定義しました。

[{
    "name": "http-scaling-rule",
     "type": "http",
    "metadata": {
        "concurrentRequests": "10"
    }
}]

デプロイした結果は、このように Azure ポータルで確認できます。

f:id:TonyTonyKun:20211112202917p:plain

続いて、フロントエンドサービスをデプロイします。最終行のオプションで Dapr を構成している部分は、バックエンドサービスと同じです。
ブラウザからアクセスされる Web アプリケーションなので、ingress を external にしています。

$ az containerapp create -n dapr-frontend -g <ResourceGroup Name> \
     -e <Environment Name> -i thara0402/dapr-frontend:0.9.0 \
     --ingress external --target-port 80 \
     --revisions-mode single --scale-rules ./deploy/httpscaler.json \
     --max-replicas 10 --min-replicas 1 \
     --enable-dapr --dapr-app-id dapr-frontend --dapr-app-port 80

結果確認

フロントエンドの Web アプリケーションを開いて、バックエンドの WeatherForecast API を呼び出します。

f:id:TonyTonyKun:20211112203558p:plain

Container Apps Environment を作成する際に、Application Insights を関連付けているので、Application Map でこのような結果が表示されます。

f:id:TonyTonyKun:20211112203343p:plain

まとめ

Azure Container Apps で Dapr sidecar を使ってバックエンドサービスを呼び出してみました。Kubernetes や Dapr のインフラ周りを気にせず、シンプルに Dapr sidecar をリバース プロキシとして使うことができます。
Azure 環境はシンプルになりましたが、ローカル開発環境では Dapr CLI と Docker Compose を使うなどの煩雑さが残ります。Azure Container Apps 向けの Project Tye とか出来ると良さそうですね。

今回のソースコードは、こちらのリポジトリで公開しています。
github.com
github.com